黄金率とレイアウト

 

このお話をするうえで、

くろねこの過去のお仕事のことが関係します。

 

黄金率・黄金比と言われる言葉、

きっと皆さんもどこかで聞いたことがあるかも知れません。

黄金比とは 1:1.618　からなるデザイン上の数値。

簡単に説明をしますと、視覚的にも安定した構造上の比率になります。

 

その言葉自体を知らなくても、私たちの身の回りには

数多くの黄金比から成り立つ日用品に囲まれていますよ。

 

例えば名刺、地上波デジタルテレビの画面。

トランプなどもそうです。

これら全てにおいて計算されたデザインが活用されています。

長方形のイメージを浮かべてもらうと分かりやすいと思います。

 

昔くろねこは、あるデザインに関わるお仕事をしていました。

それはアクアリウム（ Aquarium ）

オフィスや病院。個人の家などに出向き、

水草が繁茂した水槽をセッティングし演出するお仕事です。

 

アクアリウムの世界は、いわば閉ざされた箱庭の世界。

限られたスペースの中にバランスよく水草を配置をして観てもらうこと。

これがＵＯのハウジングにも酷似していると思えたのです。

限られた土台の大きさの中から、

いかにして違和感無くアイテムを配置し表現するか。

 

水槽で試したことをＵＯでも再現が出来るの？

それはとても楽しくてやりがいのある試みでした。

 

その水草水槽のレイアウトのひとつに、

「ライデン通り」を用いた構図があります。

これはオランダの地方都市に実在する通りの名称なの。

 

ライデン通りの構図とは。

緑が生い茂る水草水槽。その水槽内部の黄金比に値する１箇所に、

異なる色（赤系統）の水草を植え込むことにより、

水槽に効果的なアクセントと動きを得られる技法。

誰が見ても「目を引く」と言った方が分かりやすいですね。

 

ＵＯの私の家で、この技法を意図的に用いたお店があります。

それがこの２店舗。

Sunny Place １号店

 

Sunny Place ２号店

 

この２つの家にだけ、先ほど述べた技法を取り入れてみました。

 

まず白で囲われた実線内を水槽だと思ってください。

そして赤い実線が交差する辺りが、黄金比のライデン通りのポイント。

 

お気づきだと思いますが、この赤い実線が交差する場所には、

大きくて高さのあるスタックオブジェが置かれていたり。

とても複雑なレイアウトの内装になっていますね。

つまり線が交差する箇所が、水槽で表すところの「目を引く」部分に該当します。

 

内装で色の対比をつけて目を引かせるよりも、

この部分を徹底的に作りこんだ内装にすることで、

来店して頂いたプレイヤーの目を向ける効果を得ようと考えました。

４店舗のうち、この２店舗だけ。今も白の実線内部に入ることが出来ないのは、

「水槽と同じように見てもらう為の視覚的な効果」だったの。

 

ライデン通りにあたる箇所を作りこむと同時に、

レイアウト上のバランスも考慮しなければいけません。

それが青い円で囲われた部分。

ここは逆に質素な作りにすることで、

アイキャッチとなるオブジェの引き立て役になります。

 

高さのあるキャビネットから、平面的な食卓。

複雑な木工作業の机から、簡素化された錬金の作業机。

これも奥から手前に向かっての一連の動きとなっています。

 

アイテムに高低差を付けて動きを出す事は、

限られた空間の中でも自然な広がりを得られますよ。

 

水槽の様に見てもらう効果は、他にも施されているの。

ベンダーが立つお店の壁と床はどちらかと言えば暗い室内。

反対に入ることの出来ない室内は明るい色の素材ですね。

この様な対比を持たせることで

「観る部分」と「観られる部分」の境が出来ます。

 

たぶん初めてお店に来て頂いた方の多くは、

自分のキャラクターが立つ（店舗部分）の内装よりも、

実線が交差する箇所に目が向いたかと思います。

もし。そうであれば私が試そうとした

「ＵＯで水槽のレイアウトが再現出来るの？」

この事が可能だったことに繋がり、私としても嬉しい結果だと感じます。

 

そして、内装ひとつで、ここまでの遊び方が試せるＵＯは、

あらためて楽しいと思ってしまうのです。

 

この記事が皆様の内装のヒントとなりましたら幸いです。

 

タグ：レイアウト 内装