幽霊人命救助隊
高野和明

自殺をしたため、天国に行きそびれた4人の男女。
老ヤクザ 八木剛造。 気弱な中年男 市川春男。 アンニュイな若い女 安西美晴。
そして浪人生 高岡祐一。

神様は天国行きの切符と引き換えに、ある条件を4人の自殺者たちに命令します。

「下界に戻り 100人の自殺志願者の命を救え」

神様から与えられたミッションの時間は7週間(四十九日)。
これは天国行きの条件の他に、彼らが命を粗末にした行いの代償。

かくして4人の幽霊は地上へ戻り、
自殺志願者が自分たちと同じ過ちを犯さないように奔走します。


高野和明氏の作品、3冊目は幽霊人命救助隊。

命をテーマに書かれた作品ですが、要所に散りばめられたユーモア。
命は大切なものだと切々と語る、説教じみた小説ではありません。

社会の闇や命といった重くなりがちなテーマだとしても、
ユーモア性を忘れない書き口は、故伊丹十三氏の映画作品にも似てるかも。

作中では大勢の自殺志願者たちが描かれています。
その多くの方は世代もバラバラだけど、共通して心の病に罹ってる。
死によって物事を解決しようと思ってしまうプロセスは、
誰もが陥りやすい甘い誘惑なのかも知れません。

高野和明氏の全6作品の中で、
幽霊人命救助隊は多くの人に読んで貰いたい1冊です。


夏だしね。怪談話じゃないけれど、タイトルに幽霊の文字が書かれているから、
ちょっと夏を意識して、小説のご紹介をしてみました。

ゆまさまのブログで怪談話のことが書かれて思い出したこと。

くろねこの怪談話はオチがないなりよ(;´∀`)>
話をし出すとシャレにならないし、読んだ方も嬉しいとか楽しいとは思えない。

前に一度だけ あやしゃんにお話をしたら・・泣きがはいったわ(ノ◇≦。)エーン!!